リビングのテーブルは楕円形をしている。
子どもたちのことも他のことも、解決もせず償いもできず、忘れることもできなくて、相変わらずもがいていたと思う。
それでも山は越していたのかもしれない。
テーブルがかなり古くなっていて、これを替えれば、色んなことが勢いがついてグンと変わるような気がして、とてもこだわって納得できる物を探した。
「無垢」の意味を初めて知った。
そうか。父が「これ、ハリボテや」と言っていたのは、そういう事だったのか。
とても高かったけれど、「無垢」の、それも稀少なチーク材のテーブルに決めた。
お揃いの椅子は、なんだか我が家には似合わない偉そうな雰囲気だったので、別の「飛騨家具」にした。
この飛騨家具は、3年位して小さなヒビ割れが出たので修理を頼むと、乾燥の工程で何かあったかもしれないので、と座面以外を無償で新品にしてくれた。
会社と職人さんの誇りを感じて、これにしてよかった、と今もとても気に入っている。
次男は反抗期というのも重なっていて、夕ご飯の時も機嫌わるく、そっぽを向いていることも多かったと思う。
なので、少しでも家族の方を向くようにと選んだ楕円形のテーブル。
後々次男には、このテーブル、センスないわぁ、と言われたけれど、昨日はそのテーブルに並んで、テレサ・テンさんの「没後25年目の真実」という番組を観た。
父も観ただろうなと思ってしまう私の横で、歌うまいなぁ、と感心していた。