千枚田の写真が目に入るだろうと思っていた。
いつの季節もきれいだろうけれど、田植えや水を連想するこんな時季、日が長く、夕焼けをじっくり見たいこんな頃もきっと綺麗だろう。
雪景色の写真も見たことがある。
寂しいけれどなぜか温かい感じがした。
人がいた気配があるからだろうか。
やっぱり紹介されていた。
一年前にその場所を歩いて、ずっと後悔の残ることをしてしまった。
とても小さな田んぼに、おたまじゃくしの赤ちゃんがたくさんいた。
でも、水がほとんどなかった。
どうして、水が出ている所まで行って、ビニール袋でも何でもいい、何回かかってもいい、水を運んであげなかったのか。
どうして、どこかに尋ねたりしなかったのか。
あんなにたくさん旅行客がいたんだから、きっと気付いて行動を起こしてくれる人がいる。
夕立があるかもしれない。
そう願うしかなかった。
2、3時間かかって宿に着いた時には、後悔がとても大きくなっていた。
でも、翌日の予定を反対方向に変えて千枚田まで戻って、とは言えなかった。
翌日の現地の天気予報は晴れ…。
旅行がいっぺんに楽しくなくなったあの日を、思い出した。