初めて自由になれた
さすが。
転んでもただでは起きへんなぁ。
どんな話の流れでかは忘れたけれど、何年か前に小学校からの友だちに言われた。
実際は起き上がる前にまた転ぶ感じだった。
今も変わらないと思う。
今、苦しみの中で考えることは、父がいないからできることって何かあるかということ。
そんなことあるはずがない。
全部、父がいてこそ。
一緒に行く。一緒に見る。一緒に聴く。一緒に歌う。一緒に話す。一緒に思い出す。
父に、償いたかった。
父に、謝りたかった。
でも、あの時思った「どこかに行く」ことだと、わかった。
もう実家に行く必要がなくなったのだから、どんなに遠い場所で生きてもいい。
家族は大丈夫。
自分が食べていけさえすればいい。
こんなに長く生きてきて初めて全く自由になれた気がする。
今住んでいる所に未練はない。
別れが辛い人もいない。
どこでも同じ。
だからどこにでも行けるし、どこにも行かなくてもいい。
やっぱり私は独りで生きてきたんだなぁとつくづく思う。
そんな自分が愛おしくなる時が、以前よりはある。