猫のUちゃん
わが家には真っ白な猫がいる。
とにかく可愛いくてとびっきりの美形。
ただいてくれるだけで、どれだけ癒されただろう。
扉の前で振り返って鳴く姿がまた可愛い。
お外出るの? に極短い返事をしてくれるようになった。
だからその声が聞きたくて返事をしてくれるまで聞いてしまう。
要求の「にゃー」は、ずっとこの「ベランダに出させて」だけだったけれど、1年位前からもう一つ増えている。
夜、長男が自分の部屋に連れて行って扉を閉めた時の「助けて」のにゃー。
膝の上にも乗ってくれないし抱かれるのも嫌な猫らしい猫だけど、夜は私のベッドに来てくれるようになった。
だから私を呼んでくれる。
猫が人を求めて鳴く声の可愛さといったら半端じゃないので、放っておくなんて絶対にできない。
扉の下の隙間から覗いてずっと私を待ってくれている。
その近くを指で小さくトントンとすると、必ずお喋りしているみたいな声になるので、もう即座に扉を開けたくなる。
でも、もし長男がまだ眠っていないと、連れて行かんといてや、と寂しそうに言うのがわかっているので、迷っていると、切ない声がずっと続く。
扉の下から可愛すぎる手を出してきたりもする。
3、4日前の夜はまだ長男が起きているようだったので、ぐっとこらえて自分のベッドに戻った。
最近寝つきがわるい。
猫のUちゃんが、裏切らんといてよーと、まだ扉の所で待ち続けてるんじゃないかと思うと、その日は余計に眠れなかった。