No.90 物が買えない
捨てることはできるけれど、買うことができないと気づいた。
考えればわかることなのに、やっぱりバカだなぁと思う。
自分のために何か選んだり買ったりなんて、できるわけがない。
食べ物ならまだしも、服や持ち物なんて。
ずっと夫がお弁当を買って来てくれていたけれど、今日は私が仕事帰りに買うことになっていた。
営業を再開したデパ地下に寄る。
みんな大変だったんだなぁ。
さぁこれからどんどん普通の生活に戻るよ。
声を合わせてそう言ってるみたい。
それが伝わってきて、ジーンとして、私も応援してる、と思う。
でも、なかなか食べたい物が見つからない。
ぐるぐる回って、ぼーっとしてると邪魔だなと思って、出口に近いコーナーに行った。
200円引きのシールが貼られているお弁当を若いお兄さんに渡す。
すると、本当はまだなんですけど3割引きにします、と。
どうしてこういう時すぐに、
えー?ありがとーじゃあもう1つ買います
と言えないんだろう。
なんだか励まされているようで、家に帰ってから涙が出てきた。
お兄さん、ありがとう。
危ない危ない。
泣いてはいけないんだった。
近々食べ物以外も買えますように。
自分を責めていると、自分を満たすことはどうでもよくなる。
責め続けていると、自分を満たすことは許せなくなる。
なるほどな…と納得してしまった。