生きているだけでいい。   大丈夫。

大好きだった父との時間をこれからもっと取り戻すはずだったのに、突然訪れた別れ。いつか、私の人生もなんとかなったよ、と空に向かって乾杯したい。その日まで続けたいブログです。

生きていってほしい子スズメ

f:id:kannpai:20200728190832j:plain今朝、出勤してすぐ手を洗いにトイレに行くと、スズメがいた。


私の足音に驚いたようで、バタバタと個室の壁の上に飛び上がったり洗面の方に下りてきたり。

よく見ると、おそらくまだ子ども。


鏡にぶち当たったりするので、これ以上驚かせると.危ないと思って、私は動けなくなった。


サンドイッチがカバンにあったので、取り出して端の方をちぎり、そっと差し出す。


もちろん来ないので、トイレの床なのにわるいなぁと思いながら転がしてみる。


スズメがいる洗面の下にうまく転がったけれど、食べ物だとわからないのか、ただただ怖いのか、また飛び始める。


少しだけ開く窓に気づいて開けた。

お願い。

ここから出て行って。


間のわるいことにカラスの鳴き声。


今度は個室の中に入ってしまった。


どうしよう。水を飲もうなんてしたら。


そして誰かが入って来てスズメに気づかなかったら。


やっぱり私はここを離れられない。


個室から出たスズメは私をじっと見ている。

片足が変形しているように見える。


もしこれ以上、このスズメの弱さを知ってしまったら、どうしよう。

スズメは飼えるのだろうか。


そろそろ誰か来るかもしれない。

スズメだからそんなにひどいことはされないと思うけれど。


でも、追い掛けられて、パニックになって、どこかに激突したら。


どうしよう。

早くあの窓から出て行って。


祈りながら待っていると、スズメは窓のサッシに飛び移り、真下をのぞいたかと思うと飛び込むような後ろ姿で消えた。


カラスの声はそんなに近くなかったし、もう聞こえないし、ここは3階だけど、たぶんしっかり飛んで行ったはず。


あんなに小さいのに、自分だけで生きていかないといけないんだな。

厳しいな。


もうその先を考えるのはしんどい。

どうか元気に生きていってくれますように。