この国の夏のいつものこと
蝉の声を声だと思うのは日本人とポリネシア人だけだ、という記事を見つけてびっくりした。
本当なのだろうか。
じゃあ他の国の人たちは、あの大きな声を何と思うのだろう。
蝉に限らず虫の鳴き声全般について、そうらしい。
日本人は音に敏感だと書いている人もいた。
もしそうなら、日本人は音に敏感であることが必要だった進化の過程があったということかな。
それとも、必要があった訳じゃないけれど、日本には四季があるので、その変化を競うように表現するうちに、感性が豊かになったということだろうか。
さっき、家の近くの大きな木の前を通りかかると、急に蝉が大きく鳴いた。
男性が木を見上げて、あ、蝉か、というふうに一瞬気にしたようだったけれど、決してうるさそうにはしなかった。
この国の夏のいつものこと。
そこに小学1年生くらいの男の子の3人組が歩いて来て、そのうちの一人が、あれクマゼミだね、と言った。
よかった。
蝉の声、どころか、蝉の種類まで聞き分けてくれた。
YouTubeを楽しむ今時の子どもたちも、蝉の声を好きでいてくれて、よかった。