生きているだけでいい。   大丈夫。

大好きだった父との時間をこれからもっと取り戻すはずだったのに、突然訪れた別れ。いつか、私の人生もなんとかなったよ、と空に向かって乾杯したい。その日まで続けたいブログです。

駅ピアノを観てまたピアノを弾きたくなった

f:id:kannpai:20200809155655j:plain中学校の途中くらいまでピアノを習っていた。

家はあまり裕福ではなかったと思うけれど、新しいピアノを買ってくれて習わせてくれた。


なのに私は練習を熱心にしなかったと思う。


先生はとても素敵だった。


いつも足元はスリッパしか見えないロング丈のスカート、寒い季節には肩にお洒落なショール。


飼っている黒い猫を抱いた先生に、いらっしゃい、と出迎えられることもあった。


玄関は入ってもレッスンの部屋に入るのはためらわれるほど、中から先生の素晴らしい真剣なピアノが聞こえてくる日も。


私は時々、全然練習をしていなくて、先生に注意をされて、そして言われた。


私は、あなたではなくて、あなたのピアノの音に怒ってるんです。


間違えた音を耳に聴かせないように、間違えたタッチを手に覚えさせないように。

だから、ゆっくり丁寧に細かに練習を。
基本を大切に。姿勢を正しく。


サボることも多かったけれど、先生との時間のことは忘れられない。


その後も、少しピアノが弾けることで、音楽に親しめたし、結果的に今の仕事に近づくきっかけともなった。



今朝、駅ピアノ、という番組を観ながら、また弾きたいな、と思った。


実家の、大工道具がたくさんある父の部屋に、ピアノはある。


習わせてくれた両親への感謝も込めて、いつかまた弾きたい。


大丈夫。

ゆっくり丁寧に細かに。基本を大切に。

先生から教わった練習の仕方は覚えている。