この間仕事から帰ると珍しく次男がリビングにいた。
疲れてヘトヘトなので言葉も少ない私に、次男が唐突に言う。
母さん、オレうまくいってんで。
これは「い」と「て」が同じ高さ。
うまくいった、じゃなく、うまくいってる、ということ。
ん?
あ、うまくいってなかったん?
いつのことなのか訳がわからなくて笑った。
すると次男も、ずっとしんどかったからな、と笑う。
ほとんどは就活のことだろう。
自分がしんどいことに加えて、母親にしんどい思いをさせたくない、と苦しかったんだろうな。
他にも何かあったのかな。
家庭には、明るさが大事。
笑いが大事。
居心地の良さが大事。
母親の役割は大きい。
そんなこと昔からわかっている。
でもその時にはそれしか選べなかった。
あの時にもああするしか思いつかなかった。
母親は太陽にも向日葵にもほど遠く、ずっと不安定な存在。
そんな人に楽に気持ちははき出せなかっただろうな。
心配かけたらいけない、と思ってばかりだったんだろうな。
うまくいってなくてもいいよ。
それに、これからうまくいかなくなっても大丈夫。
母は無理だと思うけど、絶対誰かが助けてくれるから。
それだけは子どもに伝わればいいな、と思う。