わが家の犬は顔を見ればすぐにわかるほど気が弱い。
悲しそうにも見えるので、せっかくうちに来てくれたんだから幸せになってもらわないと、と焦ってしまう。
いつもいつもしっぽは振ってくれるのだけど。
保健所にいた母犬のお腹にいて、母犬共に助け出された。
助けてくれた人の家で生まれ、母犬としばらく暮らしてから我が家に来てくれた。
保健所で助けるということは、助けられない犬にも関わるということ。
辛かっただろうな。
私たちはそれができなくて、お店で買うのはもっとできなくて、長い間飼うのを諦めていた。
そして、いつかそんな動物たちのために、何かしたいと思っていた。
それなのに、自分が生きていくのに精一杯になってしまって。
動物たちのことを考えてあげられず、次の世代に何も渡してあげられないのが残念すぎて。
でも、元気でお金持ちで能力のある人だけが、次世代に贈り物をしていいわけではないと思う。
自分以外の相手の幸せを願って渡すのが贈り物。
だから、とても小さなものでもいい。
言葉でもいい。
失敗から学んでもらうための事例でもいい。
あなたの味方だよ、の笑顔でもいい。
そのくらいならできそう。
そのくらいはがんばろう。