生きているだけでいい。   大丈夫。

大好きだった父との時間をこれからもっと取り戻すはずだったのに、突然訪れた別れ。いつか、私の人生もなんとかなったよ、と空に向かって乾杯したい。その日まで続けたいブログです。

それは夫に譲れない

f:id:kannpai:20200905185032j:plainいつまでも料理ができないでいると、夫の腕がどんどん上がってきている。


子どもたちが、以前よりもっと、父さんは?と捜すのが悲しい。


夫はバタバタと出掛けてばかりなのに、さっきも覗くとすでに、圧力鍋の中には肉じゃがができている。


フライパンには大きなナスが焼けていて、柚子味噌で食べよか?と言う。


今から枝豆を茹でてくれるらしい。

あとは私が昨日買ってきた物の残り。


今日は子どもたちは友だちと外食だけど、明日はまた夫が手早く作った料理を、美味しい美味しいと食べるんだろうな。


料理だけでもがんばれよ。

そう思うけれど、料理ほど元気がいるものはない。

来春子どもが出て行くまでに間に合うかな。



同じ景色だから気持ちが前に進まないんだと思う。


部屋の中、家族、電話帳。


通勤経路には、実家方向に向かう電車も、乗る前に寄っていたデパートの地下もそのまま。


私が見ている景色は全然変わっていないのにその中に父だけがいない。

だからいつも変わらずに悲しみがあるんだと思う。


お父さん。ちょっと歌でも歌って待っててね。


とりあえず一旦遠くに行ってもらわないと。じゃないと別れが来てしまう。


来春子どもが出て行く時に、母さんの料理食べにまた帰って来るわ、と言ってほしい。

それは絶対夫に譲れない。