出張先から就業時間内に戻れない時に直帰となり、ガラガラの電車に乗ることがある。
すき間がいっぱい。
いつもとは違う空気が流れている。
感覚が、いつもより元気な気がする。
悲しみから逃れるためには、他に考えることをビッシリ入れて、思い出す隙がないように、と思っていた。
だから、心を向けられるものを見つけようと焦ってばかり。
でも、心を向けられるものって、ふっとした時に舞い込んでくるもの。
すき間がないといけない。
それに悲しみは、どうせほんのちょっと油断しただけで、小さなすき間にスルリと入り込んでくる。
やっぱりすき間もありで同居するしかないかな。
子どもにおもちゃを与えすぎると、考えたり工夫したり想像したり、の邪魔をしてしまう可能性があるらしい。
お母さんと豊かなやり取りをするすき間もなくなる、と。
すき間って大事。
観念して、温かい声や優しい景色や柔らかな風を充分感じられる、すき間いっぱいの心でいようか。
悲しみから逃げるのはもう疲れた。
愛おしい悲しみだからなおさら。