将棋くずしが新鮮だった
最近、とても若い女性と「将棋くずし」をする機会があった。
その人の方から、しよう、と言ってくれたのだけど、昔、弟としたのを不意に思い出す。
へぇー。今でもするんだなぁ。
将棋の駒をテーブルの真ん中に山のように積んで、こんな感じでよかったかな、と聞くと、いいよ、と。
順番に、指1本だけで駒を滑らせるようにして、自分の方に引き寄せる。
カチャッという駒の音がしたらおしまい。
自分の方に引き寄せてきた駒は、その種類ごとに点がもらえて、最後に合計点で勝敗がつくらしい。
昔した時は、取った個数だけで勝ち負けを決めたように思うけれど。
例えば、玉と王が5点、飛と角が4点、金と銀が3点、桂と香が2点、歩が1点というふうに、初めに決めておく。
複数の駒を一度に引き寄せてもいいし、カチャッがなければ続けてできる。
それがなかなか新鮮だった。
だんだん、私は手が大きいから、と言い訳もするし、息を止めて必死になっていく。
今回はどの駒も点差はなく個数での勝敗に。
惨敗だった。
次は駒の種類ごとに点差をつけてやってもいいかなとも思うけれど、王や飛を狙おう、なんて難しすぎる。
音が鳴りませんように。
それしか頭にない瞬間。
本当に、新鮮だった。
プラスチックの駒だったので、木の駒でやったらどんな感触だろう、と思ってしまう。
まさか将棋の駒を買いたくなることが、私の人生にあったなんて。