ボタンを返したい
アンカーのランです。
今朝ハッと思い出して、一つのボタンをカバンに入れて家を出ました。
今日も同じ所に行くんだったような。
出勤後、勘違いだとわかったのですが。
先週の月曜、出張帰りにバス停に立っていた時のことです。
夏にはセミの声が聞こえた、高い木があるお寺の前です。
その日は8時前に出勤、出先の仕事は長引き、18時を過ぎていました。
疲れはもう限界にきていました。
バスを乗り間違えなかっただけマシです。
バス停では、整列している訳ではないけれど、早く来た人からなんとなく先にバスに乗り込む感じです。
前のバスを見送った後、自分が乗るバスがすぐに来ました。
それには一番に乗ってもいい私だったと思うのですが、後ろから突進して来た人がいます。
別に譲ってもよかったのだけど、疲れた頭と身体を急に切り換えられなかったのです。
その人と接触しながら、結局私が先にステップを上がりました。
その時、私のカバンの飾りのスパンコールがこすられたような感じが。
あーあ。
譲ればよかった。
スパンコール取れたんだろうなと思いながら目で追うと、見覚えのある人。
その人がバス停に来た時、黒いボタンのブレザーと短めのズボン、白い靴下に目がいったのでした。
黒いボタンが、あまり見かけない物だったから。
私が先に乗り込んだことは全然気にしていない感じで、先に降りて行きました。
家に帰って、カバンの中に光沢ある黒いボタンを見つけた時の後悔。
最初は、あんな無理するからよ、と思おうとしました。
ても、予備のボタンあるのかな、なかったらあのブレザー着られなくなる、困るだろうな、と思い始めて。
またあのバス停に行く予定はありますが、会える可能性なんてきっと低い。
それに、もし会えていたとしても、同じブレザーじゃないとその人だとわからない気がする。
バス会社か警察か。
早く連絡しないと、とは思うのですが。