アンカーのランです。
今日も映画「かもめ食堂」より、素敵なセリフを紹介します。
フィンランド・ヘルシンキで小さな食堂を経営しているサチエが、書店で日本人女性ミドリに出会ったシーンです。
…
(サチエがミドリに尋ねます)
そちらは観光ですか?
いえ
あ お仕事とか
いえ そうじゃなくて
あ ムーミンに会いに
まさか
指差しちゃったんです
指差した?
はい
は?
どっか遠い所に行ってやろうと思いましてね
世界地図を広げて 目をつむって エイって指差した所がフィンランドだったんです
はあ
で 昨日こちらに到着しまして 私が今ここに座っているってわけです
すごい
いえ そんなこと
いやぁ なかなかできませんよ
そうですかね
…
でも 来てやらないわけにはいかなかったんです どうしても
そりゃあ どうしてもの時は どうしてもです
ですよね
来てやりましたか
はい 来てやりました
ようこそ いらっしゃいました
私は話すのは下手ですが、けっこう人の話を聴くことはできると思ってきたので、どうしたらもっとよく「聴く」ことができるかにはとても関心があります。
それで、このサチエさんのセリフにドキッとしたのです。
どうしても来てやらないわけにはいかなかった、と言われたら、私ならきっと「そうだったんですね」です。
何かあったんですね、だから来たんですね。
これ、サチエさんの返しに比べたら弱いです。
「そりゃあ どうしてもの時は どうしてもです」
ミドリさんの「どうしても」に一番共感することで、ミドリさんを一瞬で肯定し、味方になっています。
それだけでミドリさんは自分に納得できるのですね。
私も長く生きているのにまだまだだ…