動くと虫を踏むかもしれないから
こんばんは。ランです。
先日の朝、職場の棚を拭いていると、とても小さな蜘蛛がやって来ました。
蜘蛛の赤ちゃん?
思わず、近くにいた上司に、この季節は特に虫の赤ちゃんがいるから困るんですよね…みたいな話を。
すると、全然期待していなかった心に染みる答えが返ってきたのです。
梅雨時は僧侶は外に出ないとか。
(え?)
動くと虫を踏むかもしれないから。臨済宗だったかなぁ。
鳥肌が立ちそうなくらい、救われた気持ちになりました。
そんな返しをしてもらった経験がありません。
たいてい、わぁ、夏は虫が多いから嫌だぁ、とか。
そんなふうに考えてくれていた人が、やっぱり世の中にいたんだ…
調べてみました。
以下、臨済宗 円覚寺派大本山 円覚寺さんのウェブサイトより引用させて頂きました。
「安居」という言葉があります。
僧が一定期間遊行に出ないで、一カ所で修行すること。
普通、陰暦4月16日に始まり7月15日に終わる。
…
「仏教教団で、修行者たちが一定期間一カ所に集団生活し、外出を避けて修行に専念すること、またその期間をいう。雨季の定住。<雨安居(うあんご)>ともよばれる。」
という解説があります。
語源については、やはり「サンスクリット語ヴァルサは雨、雨季、歳を意味する言葉で、インドでは春から夏にかけて約3カ月続く雨季の間は、外出が不便であり、またこの期間外出すると草木の若芽を踏んだり、昆虫類を殺傷することが多いので、この制度が始まったとされている。」
と書かれています。
ここにも安居の大きな意味があります。
虫などを踏み殺さないようにという気持ちで、外にでないで一カ所に集まって修行したのでした。
草木の若芽を踏んだりしないようにということもあるのであります。
この安居の修行も、その根柢には、生き物を憐れみ、傷つけたり、殺めたりしないようにという慈悲の心があるのです。
こういうのは、宗教の外に広まればよかったのに。
大人はもうだめ。一度くらいは子どもの耳に直接入るように仕組まれていればよかったのに、と思いました。