生きているだけでいい。   大丈夫。

大好きだった父との時間をこれからもっと取り戻すはずだったのに、突然訪れた別れ。いつか、私の人生もなんとかなったよ、と空に向かって乾杯したい。その日まで続けたいブログです。

何もかも忘れてうっとり実ってゆく

f:id:kannpai:20201002173646j:plainアンカーのランです。


秋になると
果物はなにもかも忘れてしまって
うっとりと実のってゆくらしい


八木重吉さんの詩。


この詩を筆で書いたのが額に入ったまま実家にあると思います。


昨日の記事を書いた後に思い出しました。



小学3年生くらいからずっと書道を習わせてもらっていました。


社会人になってもしばらく続けていたのですが、たぶん色々しんどいのが重なって行かなくなった気がします。


でも、先生の字がとても好きだった。先生の先生の字も、大好きだった。


なので、またいつか書きたいなぁと思うこともあり、先生の書を見に書展に行ったりもしていました。

でも、会えることは一度もなく。



書きたい字を自分で選ぶことはあまりなかったと思うので、この詩もたぶん先生の好みだと思います。


楷書、行書、草書、隷書、かな、近代詩文。


様々な書体がありますが、私は作品にする時は、楷書や近代詩文をよく書いていました。



なにもかも忘れて実る、なんて。

今の方がきっとこの詩を好きです。


この詩を選んだ時の先生は、まだ40才くらいでしょうか。


とても華奢な方で、とても怖がりな先生でした。


素晴らしい筆使い、白と黒のバランス。
繊細で、エネルギーはそっと隠されてるような字。


すごいなぁ、と先生の手元を見つめていた時間のことが思い出されます。


毎年素敵な年賀状を下さるので、今もお元気なはず。


どうしてるの?と懐かしい声が。


もしも会えたら、私は胸がいっぱいになり、何から話せばいいのか、きっとわからなくなると思います。