生きているだけでいい。   大丈夫。

大好きだった父との時間をこれからもっと取り戻すはずだったのに、突然訪れた別れ。いつか、私の人生もなんとかなったよ、と空に向かって乾杯したい。その日まで続けたいブログです。

靴下を全部捨てる

f:id:kannpai:20201008173918j:plainアンカーのランです。


ほんの少しずつ家の中が片付いています。


研修に行くことも、人と会うことも、実家に帰ることも、コーラスも、ほぼなくなって時間がたっぷり。


それでも一人ではなかなか動き出せず、判断もつかず、できない自分に気が重くなりさらに動けず、でした。


でも、ふとした拍子に、誰かがし始めた拍子に、急に進んだりしてそれがまぁまぁ積み重なってきました。


靴下を一足ずつセットにするのがよく貯まり、もう片方が出てきたらセットにする待機中のがなくならず、なんとかならないかな、とは確かに思っていました。


片方が傷んで捨てる時、もう片方は他にセットにできるものが出てくるかも、と思って捨てなかったり。


スタンダードな黒色や紺色の靴下を買っていても少しずつ違ったり。



長男がそれを見て言ったのです。


1回全部捨てて、全部同じのを買えばいいやん。


実は前にも言われてました。


私と次男のは別として、夫と長男の仕事用は全部同じでいいと思います。
でも。


捨てるのはもったいないわ。


その仕分けしてる時間がいっつももったいないやん。


もし全部黒とか紺にしたとして、傷んだの捨てていって少なくなってきたら買い足すことになるでしょ。


またユニクロで同じやつ買えばいいやん。


全く同じじゃないかもしれへんよ。
微妙に変わっていくから。


じゃあまた一気に全部買い直せばいいやん。


物を大切にって育てたつもりやのに。


わかってるけど、時間も大切やで。
オレやったらまだいいけど母さんら。


これ作るのに関わった人どれだけいると思う?


でも最初にちゃんとお金払ったやん。


そういうことじゃないって本当はわかってるよね?


話しながら、時間は大切だな、その時間で有意義なことすればいいんだ、と心の中では思いました。


最近ユニクロで買った黒と紺を並べて、次買う時はこれにしてだんだんこれだけにしていくわ、と取りあえずは決まり。


でも、ずっと片方が出てきていない靴下と、ユニクロのとは全然違う古びた数足を捨てることにしました。


すると長男は、その古びたうちの2足を、これは履くわ、と。


靴下を入れている引き出しがきれいになって、今後の見通しも立って、やっぱり嬉しいです。

また戻って来てね

f:id:kannpai:20201007134902j:plainアンカーのランです。


仕事を休み、8ヶ月ぶりに薬をもらいに来ています。


前回半年分もらった薬。
やっぱりかなり飲んでなかった。


自分のことなんてどうでもいいや、と思いつつ、子どもに迷惑かけるのも嫌なので予約しました。


3年前に甲状腺の手術を受け、その後ずっと薬が必要です。


甲状腺の機能が低下すると、無気力とか筋力低下とか、色々症状が出る場合もあるそう。


もしかして動けないのは父のことだけじゃない?


そういえば筋力もない気がします。


夏頃に受けた職場の検査で、片方の握力が年齢を考慮してもなさ過ぎて驚かれました。


高校時代はクラスで一番くらいだったのに。


夫が開けられない瓶の蓋を開けるのが自慢だったのに。


代謝がわるくなるのは、頑張るとか気合とかではどうしようもないので、やっぱり来てよかった。


あまり自覚はないけれど、10%でも体調が良くなれば、気分は20%くらい上がりそう。


20%も気分が上がれば、40%くらい感覚が元気になって感受性も高まるのでは。


40%も感覚と感受性が高まれば、気持ちを変える材料が80%くらい増えるのでは。


80%も材料が増えたら、心の中の様子がずいぶん変わってくるに違いないです。



ゾロゾロと愛しいものたちが出ていく様子が浮かんできます。


旗なのか槍なのかも見えます。


一人が振り返ってニッと笑ってくれました。


ごめんね。
また戻って来てね。

そう思いながらまだ待合室で待っています。

夫の部屋の前にゴミ袋を

f:id:kannpai:20201006193441j:plainアンカーのランです。


大きなゴミ袋2つ分の衣服を、まだ少し迷いがあるので置いています。


やっと選り分けられた。
あと1日か2日で捨てるつもりです。


だから、そのままになってしまわないようにリビングにドンと置いていました。


その横が夫の寝ている部屋。


確かに扉を開けた時に邪魔だと思うけど、私ならきっと、あ、ここにあるな、くらいです。


それなのに夫は、ここに置いたら大怪我するやん、です。


同じ場所に荷物の入った紙袋を置いていた時、朝起きてきた夫がそれにつまづいて転びました。

それ以来、そう言うようになったのでした。


なのに私がまだ置くのは、運動神経の良くない夫に意地悪な気持ちがあるからだと思います。


なんでこのくらいで転ぶの?


でもそれだけではありません。


今回も言われたそのセリフ、大怪我するやん、にムカッとします。


それは、自分に対して大怪我する心配をしているのが腹立たしい、という気持ち。


自分のことをそんなに大事に思える夫への嫉妬です。


私は自分のことをそんなに大事に思ってこなかったのに。


それどころか、子どもたちの気持ちも大事にできなかったようなのに。



今朝、もう一度、大怪我するから置かんといてな、と言われて激怒した私に、夫が言いました。


ツンツンせんといてよ。


もう言葉が見つかリませんでした。

3年以内にはたぶん辞めない

f:id:kannpai:20201005185726j:plainアンカーのランです。


次男が最近行き始めたアルバイト先での話です。


初日帰って来て話していたところによると、定年退職後に働いておられる方もいたそうです。


色々聞かれて、オレの肩とか手のひらとか触って、3年以内に人間関係で会社辞めるわ、って言われた。


私は、へぇー、そんなこと言われたん、と笑ったのですが、次男が気にしていないか少し心配でした。


おそらく尋ねられることに真面目に答え、経験談を真剣に聴いていた彼の、どこにそんな将来を感じ取られたのか。


挨拶もしっかりするし、部活で鍛えた体力と忍耐力もあるはずだし、真面目で優しいと思うのに。

会ったその日にそんなことを?


からかわれただけかもしれないですが、年下の人には特に、もう少し慎重に言葉をかけてほしいな、とは思いました。


来春から社会人になる若者です。

頼りなさそうで、何か言いたくなる、ということでしょうか。


相手がかなり年下でも、何か言われるんじゃないか、と常に自信がない私だから、普通に歳を重ねて堂々と生きている人の心情がわからないだけってこと?


たぶん、多くの人の歩く道は歩いて来なかった。でももうこんなに歩いて来たんです。


こっちの道だから見つけたものもきっとあるはず、とこの頃思えたりします。


そう考えると、どんな人も、自分が歩いた道しか本当はわからないんじゃないの?

わかっても、せいぜいその近くぐらいまでしか。


だから、わからないことを前提に、せめて、同じ時代を生きる人たちに、優しい言葉、温かい言葉を掛け合いたい。


そして、その定年退職後の方には、それでも、おかしいことはおかしいと教えてやってほしい。

だんだんそんな気持ちにもなっていました。

No.230 誰でも歩けば何かに当たるよ

f:id:kannpai:20201004170042j:plainアンカーのランです。


この間、夫がまた財布を拾いました。


ダイエットと健康のために毎日かなり歩く夫です。


その夜は犬の散歩も兼ねて、11時頃から出掛けていました。


犬は、散歩行こか、と夜遅くに誘われて逃げている時期もありましたが、この頃はついて行くようです。


犬も健康的に朝とか夕方とかに規則正しく行きたいんじゃないかな。


でも、とにかくおとなしくて穏やかな犬なのです。


しっぽがクルンと上に巻いているので、柴犬ですか?とよく聞かれるのですが、雑種のようです。

保健所にいたのでよくわかりません。


交番に30分くらい居たそうですが、その間、犬は、静かに待っていたんだろうなぁ。


昨年も、犬の散歩中に財布を拾った夫。


たまたまかもしれないけれど。
でもやっぱり不思議。


家ではいつも、ない、ない、と言って見つけられないのに。


足元にある物も。
目の前にある物も。


マヨネーズどこ?と何百回聞かれたでしょうか。


スーパーで、絶対視界に入るはずなのに私を捜す夫を、何十回追いかけたでしょうか。


帽子がない、と何回諦めて一人で出掛けたのでしょう。


やっぱり2回くらいだから、財布を見つけたのはたまたま。


大きな理由は、きっと歩く距離が長いからです。


誰でも歩けば何かに当たるよ。


なんだか朗報のような気がしました。


道が違っていても。
転んでばかりでも。
元気じゃなくても。
昼夜問わず。


私も長い間歩いて来たのだから。


落としたものもたくさんあるだろうけど、拾ったものもあるはずです。


疲れていて、何を拾ったのか今はよくわからないのだけど。

またあの気持ちいい床に

f:id:kannpai:20201003193707j:plainアンカーのランです。


最近、ビールを飲んでもよく眠れず、何とかしたくてまた家族を誘いました。

というより連れて行ってもらったのですが。



7週間ぶりに、気持ちいい床を踏みしめました。


前に来た時はあんな可憐な花咲いてたかなぁ。


お抹茶とお菓子を運んで来てくれた人に尋ねると、萩の花とのこと。


隅々まで厳しくというよりは、優しく丁寧に手入れされている感じの、落ち着いた庭園。


ぼーっと足をくずして眺めていると、じんわり充電されてきたかのよう。


観光で訪れる人が急に増えているらしく、大きな声で会話されるので、前回の静けさとはちょっと違ったのですが、旅行なんだから楽しいんです。


素敵な所だったわ、といい思い出にしてもらえたら嬉しいな。

なんて、まるで自分の庭みたいだけど。


秋海棠という花もとてもきれいでした。


帰りにはもちろん、ビーズのネコのキーホルダーを選びます。


もうお店の方も覚えて下さっていて、あまりに迷う私に、また次のお楽しみに、とニッコリ。


今日はなんと6つも買ってしまいました。


ほんとに可愛い。


スチーマーも買ったけど、しょっちゅうお弁当も買ってしまうけど、これくらいいい。

あげたい人もいないから全部自分のもの。


幸せな気持ちで眠りにつけるように。

今私が頑張ることは、それだけです。

何もかも忘れてうっとり実ってゆく

f:id:kannpai:20201002173646j:plainアンカーのランです。


秋になると
果物はなにもかも忘れてしまって
うっとりと実のってゆくらしい


八木重吉さんの詩。


この詩を筆で書いたのが額に入ったまま実家にあると思います。


昨日の記事を書いた後に思い出しました。



小学3年生くらいからずっと書道を習わせてもらっていました。


社会人になってもしばらく続けていたのですが、たぶん色々しんどいのが重なって行かなくなった気がします。


でも、先生の字がとても好きだった。先生の先生の字も、大好きだった。


なので、またいつか書きたいなぁと思うこともあり、先生の書を見に書展に行ったりもしていました。

でも、会えることは一度もなく。



書きたい字を自分で選ぶことはあまりなかったと思うので、この詩もたぶん先生の好みだと思います。


楷書、行書、草書、隷書、かな、近代詩文。


様々な書体がありますが、私は作品にする時は、楷書や近代詩文をよく書いていました。



なにもかも忘れて実る、なんて。

今の方がきっとこの詩を好きです。


この詩を選んだ時の先生は、まだ40才くらいでしょうか。


とても華奢な方で、とても怖がりな先生でした。


素晴らしい筆使い、白と黒のバランス。
繊細で、エネルギーはそっと隠されてるような字。


すごいなぁ、と先生の手元を見つめていた時間のことが思い出されます。


毎年素敵な年賀状を下さるので、今もお元気なはず。


どうしてるの?と懐かしい声が。


もしも会えたら、私は胸がいっぱいになり、何から話せばいいのか、きっとわからなくなると思います。