今までに、誰かが亡くなられたと聞いて、おいくつだったのですか?と尋ねたことがきっとあったと思う。
相手の話し方にもよるけれど、高齢だと、じゃあまあ… という声になっていたかもしれない。
でも今、それは全然違うと思い知らされている。
父はずっと、運転手と飲食店の厨房で二人分くらいを働いてくれていた。
いつも優しくて、それはそれはカッコいい人だった。
それなのに私は、母の訴えだけを信じ続けた。
寂しかっただろうと思う。
怖くて調べていないけれど、おそらく平均寿命は過ぎていた。
でも、父との時間は、全然足りない。
その年齢なら まぁ… は全く当てはまらない。