どんな世界に生きているかわからない人から相談を受けることがある。
今は私も弱っているのだけど。
職業柄なんとか伺うことになる。
答えを渡すようなことはほぼなくて、黙って聴いて、あ、そっちなのか、と気付いたら、少しはわかるよ、と心の中で思う。
生きるために、自分を守るために、周りを見てなんとかやってきている。
しんどいけれどこれが普通なのか、と思いながら。
なので、年を重ねれば重ねるほど周りからもわかりにくい。
でも、厳しくされたけど一応の安心はあった人と、人が怖くていつも緊張して生きてきた人とでは、全然人生が違う。
境目はないスペクトラムかもしれないけれど。
だから簡単に、自分を大切に、なんて言わないで。
好きなこと見つけたら?なんて言わないで。
大切にする「自分」がない年月だったのだから。
はっきりしない「自分」が好きなことを見つけるなんて難しいのだから。
小さな頃に家族と食べた食事なんて思い出せないよね。
好きな食べ物なんてないよね。
したいこともよくわからないよね。
私は心の中でそう言ってずっと聴いていて、今から少しでも自分の時間を生きようよ、と話せるタイミングを待っている。
本当は私もかなり弱ってるんだけど。
間違えないように、慎重に聴く。