ファンタジーじゃない
暑いね、と毎日のように話し掛けられる。
暑いですね。
私も一応大人なのでそんな会話はするのだけど、長袖だし汗もかくのだけど、でもただそれだけという感じはする。
暑さも寒さも、湿度も。
痛みにもたぶん鈍感なんだと思う。
時々、優しい人が、肩揉んであげる、と言って揉んでくれると、次はだいたい、わぁ凝ってるね、だった。
自覚はなかった。
我慢が大事、と教えられた通りに生きてきたら、痛みや辛さに慣れて鈍感になったのかもしれない。
これってかなり損をしたのだろうか。
本来の生き方にシフトする前の残念な生き方ということなのか。
自分の身体や気持ちを大事にできずに過ごす人生って、変えなきゃいけないもの?
しんどかったから別の生き方をしたいとは思うけれど、でもこれまでの人生も愛おしい。
これまでの生き方だからこそ得られたものもきっとあるはず。
心から幸せな時間もたくさんあったのだから。
記憶をたぐって集めたい。
ファンタジーじゃない。
自分の人生は自分で解釈するから、と思う。