通りすがりの者です
この間のしんどそうな人のことが気になって、次男にそれとなく聞いた。
見ず知らずの人の背中をたたいて声を掛けるって、ちょっと心配な気もしたから。
トントンじゃなくて、バシッとたたいたと言う。
交差点近くで座ってうなだれている姿が目立っていて、たぶん飲んでいたようで、信号待ちの人が笑ってた、と。
次男の、大丈夫っすか? に、顔を上げて第一声が、色々あんねん…。
起業してうまくいってないとかかな、と次男は思った。
お前、誰やねん。
あそこの店でさっきまで勉強してて。
通りすがりの者です。
それほど飲んでもいなかったのか、それから30分くらい二人で話をした、とのこと。
次男21才、相手の人は22か23才。
二人とも年齢は大人だけど、なんか微笑ましい。
でも、背中たたいたりして、怒られるかもって思えへんかった?
人って基本的に寂しがり屋やから、相手に警戒解けたら、自分のこと聞いてくれるの嬉しいと思うで。
基本的に寂しがり屋、というのが引っかかった。
そうか。やっぱり私はずっと次男に寂しい思いをさせてきたのか。
またそう思い始める自分に、子どもたちはこれから自力でなんとかするから大丈夫、と言い聞かせた。