No.300 愛想ようしてもろて
アンカーのランです。
今日は山に走りに?とかで、また夫は出掛けているので静かです。
春以来どうしても入れない近所のスーパーに、次男が今、夕飯の買い出しに行ってくれています。
この辺りは子どもも多いはずなのにとても静か。今は窓を閉めているとしても、前からちょっと不思議でした。
今住んでいるマンションには16年前に入居しました。
長男7才、次男5才の時です。
長男は小学校2年生夏の転校。
次男は幼稚園卒園まであと半年。
車で片道50分。転園はしませんでした。
帰りは車で眠ってしまっていることが多く、抱っこしてマンションの玄関へ。まだあの感触は憶えています。
長男は最後の日にクラスのみんなに、私が用意した鉛筆を配りました。
何か一言書いて渡したら?と言うと、人数分小さな紙に書いて、鉛筆の入ったそれぞれの袋に貼っていました。
がんばれよ
そうやんなぁ。全員にありがとうなんて書きたくないよね。
もちろん私はその時、そんな共感の言葉を掛けたりはせず、少し笑っただけです。
やんちゃ坊主が何人かいて、私のせいで自己主張できなかった長男は、嫌な目にもあっていたのです。
私は自分の問題に気付かないまま、このマンションで子育てを続行しました。
とにかくしんどかった。
そして、大切な子どもたちにしんどい思いをさせました。
マンション内での年一度の親睦会や町内会の行事はありますが、常にみんなが仲良く交流している様子はないです。
お互いの生活が見えず助け合う関係がないことは、本来なら残念なことなのに、私は、よかった、と思っていました。
挨拶だけは感じよくして下さる方が多いので、それで充分だったのです。
それ以上のことは抱えられなかったから。
真下の部屋に住んでいる方は、出会うといつも気持ちよく挨拶して下さる優しそうな男性。
長男や次男が、これもらった、とお菓子を手に帰って来たことが何度もあります。
出会った時に持っておられる物を下さるのです。
私はうるさくないかを数度尋ねはしましたが、普段の挨拶以外には入居の際とリフォームの時に少し話をしたくらいです。
バタバタとうるさくして来たのに、もっと積極的に話をしてお詫びしたり、せめてお土産を渡したりすればよかった。
16年間の穏やかな関係は、今思えば本当に有り難いものでした。
一昨日、突然来られて、引っ越すことになりました、と。
心から深く頭を下げました。
ずっとうるさくして来て。
ほんとにすみませんでした。
子どもたちにもよくしてもらって。
すると、やはり穏やかに話して下さいました。
息子さんたちにはいっつも愛想ようしてもろて。
きっと子どもたちは、愛想よくしてもらえるのでそのように応じていたのです。
私が日常にアップアップしていた間、子どもたちを温かく見守り続けて下さっていたことを、一昨日思い知りました。
昨日、夫も子どもたちも挨拶に行きました。
今日がお引越しです。