母はただのおばあちゃんに
アンカーのランです。
一昨日、母にLINEで様子を聞くと、久々に電話がかかってきて、トイレの調子がわるい話などをしてくれました。
何回か水を流したら大丈夫だから取り換えるのはもったいない、近所の人にもそう言われた、と。
それから、遠くで働くことになった次男が、それを伝えに一度会いに行ったようで、その時のことをとても嬉しそうに。
母から電話があることはめったにありません。昔から。
こちらからかけるとだいたいは、電話しようと思ってた、どうしてるかなと思ってた、と慌てた声の母でした。
誰かに何か言われるんじゃないか。
怒られるんじゃないか。
そんなふうにいつも思いながら生きていた母の人生だったとしたら、わかっていたら、何とかしてあげられたのに、と思います。
もしかしたら、その厳しい相手の一人に、いつの間にか私も入っていたかもしれません。
自分に厳しい私を母は褒めてくれたので、選んでそんな自分で生きてきた。
それがだんだん母には、厳しいキツい娘、と映るようになったのでしょうか。
どちらにしても、もう済んだことです。
私もこの世界が怖かったし、母もこの世界が怖かった。
二人とも怖いのだから、手を繋げばよかったのに。
でも二人とも、世界が怖いのは普通のことだから甘えずに頑張って生きよう、とそれぞれが思っていたのです。たぶん。
でも、母は歳をとり、ただの普通のおばあちゃんになっていました。
労らなくてはいけない、ただの普通のおばあちゃん。
私のせいで一人暮らしにさせてしまって。それは本当に申し訳ないと思う。