不安でいっぱいの彼女
アンカーのランです。
次男に言われた言葉がずっと引っかかっています。
母さんって自分がどう思われるかが一番なん?
そんなことない、といくら思おうとしてもダメでした。当たっているので。
長男にも、母さんは子どものためとか言いながら、本当は自分が安心したいからやろ、と。
自分がどう思われるか。
自分が安心できるか。
長く生きてきて、これが極めて大事なことだなんて。
情けない。
まだ仕事に慣れない新メンバーの女性が、受話器を手に頭を下げ、申し訳ありません、と謝っていました。
小さな声で。本当に恐縮して。
相手が呼んでほしいと言った人が不在だっただけです。
その女性は何ひとつわるくない。
もちろん組織ではそういった対応にはなります。
せっかくお電話下さったのに、と申し訳なくは思いますが、でも、自分の責任を感じたりはしません。だいたいの人は。
でも、その女性は、本当に(私は)わるいことをした、と心から思っているような謝り方でした。そう見えました。
これが重なっていくと、無意識のうちに心は疲れていきます。
それでなくとも彼女は教えてもらわないといけないことばかりで、すみません、と言う場面は多いのだから。
職場は能力の高い人たちばかりなのでなおさら。質問する彼女の声が時にはかすかに震えているのが私にはわかります。
彼女は、次男と同じ新社会人です。
実は、昔の自分を見ているようでした。
自分のせいじゃないことまで謝ってた。
聞きたいことを聞くのに、とても勇気がいった。
いつもすごく緊張していて、でもいつも笑顔を作っていた。
それが何年も何年もずっと続いても、楽になれることも逃げることも知らなかった、自分を見ているようです。
不安でいっぱいの彼女より、自分がどう思われるかの方が大事だなんて、そんなことあるわけない。