伊之助にも義勇にも
アンカーのランです。
今日も『「鬼滅の刃」で心理分析できる本』(著者:清田予紀さん)から少し。
引用もさせて頂きました。
以下、ネタバレあります。
イノシシに育てられたため「人間の持つ良心や道徳観が欠落」し、「粗暴で独りよがり」な伊之助ですが。
「炭治郎や善逸、柱たちとの交流を通して、徐々に人間らしい側面を見せ始めます。」
「そのきっかけとなったのは、那田蜘蛛山」の戦いで、水柱の冨岡義勇にピンチを救われた時かもしれません。
「大怪我をしているのにもかかわらず」自分が一番強いと証明したいために、助けてくれた冨岡義勇に、俺と戦え、と啖呵を切る。
そんな伊之助に義勇が叱責するのです。
「己の怪我の程度もわからない奴は戦いに関わるな」
「能力の高い人ほど自分の能力を過小評価する傾向があり、逆に能力の低い人ほど自分の能力を著しく過大評価しがち」
これを表す心理学の言葉が「ダニング・クルーガー効果」。
伊之助は「自分の強さのレベルがどれくらいのものかを客観視できないので、誰彼かまわず強がってしまう」身の程知らずなのでした。
「自分に対する厳しい現実認識が、さらなる成長への原動力になるので、強い人はより強くなっていく」
でも、それも程々がいいでしょうか。
自分に厳し過ぎると動けなくなります。
自分を一応客観視できるとして、時には伊之助になったり、時には冨岡義勇になったり、もいいじゃないですか。
そこで、色んなキャラクターを知っているのはとてもいいです。
カッコいいキャラクターに、羨ましいキャラクターに、大好きなあの人に、心の中だけでもなりきってみる。
本当の自分を自然に表現するための練習になるでしょう。
何よりも心のリハビリになると思うのです。
リハビリで心はゆっくり大きく動いて、きっとなりたい自分になれます。