父が興味のないことを探す
父がいないからできることはないか。
いくら考えても遠くへ行けること位しか思い浮かばない。
そんな気力が湧いてくるまでにできること、父を連想しないで済む、父が興味のないことを探そうと思う。
父は昔はよく本を読んでいたけれど、この数年はもう目が疲れると言っていた。
私は結構本が好きで、読むつもりで買ったままの本が何冊もある。
父は写真にはあまり興味がなかった。
簡単に何でも写真に収めてしまう今の時代には、もちろんあまり馴染んでいなかった。
実は私は、笑顔の写真を集めること、子どもの部活を観に行く時にカメラは適当に人と離れられて便利だったこと、のために写真に親しい。
やろうと思えば写真を加工したり編集したりもできる。
子ども服と同様、胸が痛んでまだ整理できない多くの写真はそのままにして、今から何かの写真を撮る楽しみを持てるだろうか。
父は音楽は大好きだったけれど、サックスやギター以外の楽器の話をしていた記憶はない。
家にあるキーボードで、父の知らなさそうな曲を練習してみようかと思う。
何日も休んでそれでも働くことのできる職場もあった。
私は仕事のことを父に詳しく話していなかった。
なので仕事中に父と繋がる要素はない。
わが子と同年代の人達にもたくさん教えてもらって、私の半生を少しでも生かせるように、諦めずに一生懸命やりたい。
本を読む。
写真を撮る。
キーボードを弾く。
仕事を一生懸命する。